一般社団法人LFコンサート

テューバ奏者の自習室

楽器にまつわる“よく言われること”を、音響シミュレーションで一つずつ確かめています。

音響シミュレーションで、テューバの定説や金管楽器のメカニズムを再現できるか実験しています。 あくまで理論上の計算結果や、他の研究者の方の研究内容の紹介ですが、 何か皆さんのご参考になればと思います。

一般社団法人LFコンサート 代表理事 テューバ奏者 小林悠真

いま、どこまで言えるか

5
記事を公開
54
調査中
60
扱っているテーマ

形・寸法

計算上、2本以上の組合せ11通りはすべて上ずる方向にずれ、1+2+3+4 で +163.65 セント(約1.6半音)。管の長さは足し算だが音程は比で動くので、数学的な必然として起きる。

ただし — 数値はモード2〜8の平均で、個々の音では大きく散る(1+2 では7モード中4モードが逆に下がる)。

計算上、テューバは平均 −0.57 セント/mm。よく言われる 2 セント/mm の約 1/3.5 しかない。

ただし — 2 セント/mm はトランペットの通説で、管が長いテューバにそのまま持ち込めない。

計算したのは音のツボの深さ(共鳴の山の高さ)。ベル径 400→500mm で深くなったモードは無く最大 −0.7dB、逆に 350mm に絞ると高い音域で最大 +1.09dB 深くなった。低い音域(モード2〜5)は 0.15dB 未満でほぼ動かない。

ただし — 音量そのもの(放射される音)は計算していないので、「音量が出るか」にはこの計算では答えられない。

状態・環境

計算上、現実的な膜厚 2µm では 0.072 セントで、知覚の閾値の 1/69 にしかならない。あり得ない 200µm まで盛っても 7.25 セント。

ただし — 見ているのは膜が内径を狭める形の経路だけ。粘度・操作感、そして膜による減衰の増加は評価していない。

計算上、堆積 0.1mm で 3.6 セント、1.0mm ではモード2が 38.9 セント下がりモード4が 36.9 セント上がって、モード間が 76 セント開く。オイルとの境界はおよそ 140µm。

ただし — 見ているのは堆積による形の変化だけで、表面が粗くなることによる損失増は評価できていない。奏者の「鳴らない」という体感はそちらが本命の可能性があり、この結論は過小評価の疑いがある。

計算上、一様な温度変化では約 2.9 セント/℃ で、経験則と合う(理想気体の音速∝√T から解析的にも出る値)。ただし管内に温度の勾配があると揃わず、吹き始めでモード間が 9.02 セント、暖まった状態でも 3.05 セントばらつく。

ただし — つまりマウスピース側だけ暖めても全体は揃わない。呼気のCO2・水蒸気と真鍮の熱膨張は未考慮。

現在調査中

計算がこれからのもの、計算はできても記事にしていないもの、いまの計算では扱えないものが混ざっています。 結果が出たものから記事にしていきます。

  • ベルの開き方(フレア)で鳴りが変わる
  • マウスパイプは長いほうがいい
  • デント(へこみ)は音に悪い
  • マウスピースのギャップに最適値がある
  • マウスピースのカップが深いと暗い音になる
  • バルブ区間を太くすると吹きやすくなる
  • ボアが太いと音が暗くなる・音量が出る
  • 管に穴が開いたら音はどうなるのか(ウォーターキーの隙間も)
  • マウスピースのスロートやバックボアで何が変わるのか
  • マウスピースの挿し込み深さで音が変わる
  • 管の断面が真円でなくなると音が変わるのか
  • 管の曲がり(巻きのR)のきつさで音が変わる
  • ロータリーとピストンで音色が違う
  • 5番バルブ・コンペンセイティングの優劣
  • ラッカーは暗い音、銀メッキは明るい音
  • 一枚取りのベルは金属が硬く音がいい
  • 極低温処理で音が良くなる
  • 壁の振動が音に影響する
  • 銅の含有量が多いと温かい音になる
  • メッキの種類(金・銀・ピンクゴールド)で音が変わる
  • ベルの肉厚で音が変わる
  • はんだ付けのやり方で音が変わる
  • 吹き込むと楽器が育つ(エージング)
  • ヴィンテージの楽器は音程が悪い
  • 標高の高い場所では音程が変わるのか
  • 湿度で音程が変わるのか
  • 管の中に水が溜まると音が変わる
  • 重いマウスピースはパワフルに鳴る
  • ヘビーバルブキャップで音が締まる
  • 楽器が重いほど豊かな音になる
  • クランツ(ベル縁の補強リング)で音が変わる
  • 支柱の位置や本数で音が変わる
  • 音を作っているのは楽器か、奏者か
  • ペダルトーンはなぜ鳴るのか
  • 高い音域が出にくいのはなぜか
  • テューバは他の金管より息をたくさん使う
  • 息のスピードが速いほど音が飛ぶ・太くなる
  • タ・ティ・トゥなど口の中の形で音色が変わる
  • テューバは音の出だしが遅い
  • バルブは素早く切り替えたほうがいい
  • 抵抗のある楽器・ない楽器は何が違うのか
  • 「ツボが深い」と「ツボが広い」は同じことなのか
  • 息が入りやすい楽器・入りにくい楽器は何が違うのか
  • 楽器の抱え方(手や体の当て方)で音が変わる
  • 音が飛ぶ人と飛ばない人がいるのはなぜか
  • 自分の近くで聞こえる音と客席で聞こえる音は違うのか
  • ホールによって響きが変わるのはなぜか
  • 弱音器をつけると何が変わるのか
  • ベルの向きで客席への届き方が変わるのか
  • 譜面台や壁が近いと音が変わるのか
  • 明るい音と暗い音は波形の何が違うのか
  • フォルティシモで音が硬くなるのはなぜか
  • F管とB♭管は何が違うのか
  • トランペットやトロンボーンとテューバは何が違うのか

記事を読む

一つひとつの検証を、図と一緒に記事にしています。

テューバ奏者の自習室の記事一覧 →

調べてほしいこと

この説も数値シミュレーションでみてみてほしい、ということがあればなんでも教えてください。
順次検証し、結果が分かったものから記事にして公開いたします。

無記名・連絡先なしで投稿できます。そのためお返事はできませんが、内容はすべて読みます。 ご相談ごとはお問い合わせからお願いします。

0 / 2000