カップが深いと暗い音になるのか
「深いカップは暗い音になる」という話を、マウスピースのカップ容積を0.6〜1.4倍に振って計算しました。音色そのものはこの計算では扱えず確かめられませんでしたが、音程には差が出ました。いちばん浅い形といちばん深い形で、音によって8.4〜23.2セント動きます。動き方が音ごとに違うので、いちばん動く音といちばん動かない音で14.7セント開きました。
ストーブパイプは音が締まる、急拡大は明るい、は本当か
「ストーブパイプは締まる、急拡大は明るい」という言説を、ベルの開き方(フレア指数)を4段階に振って計算しました。低い音(モード2)は34.1セント動きますが低次と高次は逆向きに動き、高次側(モード9以降)でいちばん高い山の位置そのものはどの形でも動きませんでした。ただし外へ出ていく音の明るさそのものは、この計算では判定できません。
マウスパイプの長さは何に効くのか
「マウスパイプは長いほど鳴りが良くなる」「交換すると音程の並びが変わる」という話を、長さを±15%の範囲で振って計算しました。何も調整しない場合と、抜差で合わせ直した場合とでは結果が大きく違います。合わせ直すとツボの深さはほとんど動かず、音程はモード4だけ逆向きに残ります。±5%でも残る音どうしの差は5〜6セントで、5セントの目安をわずかに超えます。
マウスピースのギャップに最適値はあるか
マウスピースとマウスパイプの間にできる「ギャップ」に最適な大きさがあるのか、0〜8mmで計算しました。音程は拡げるほど一方向に下がり続け、山も谷もありません。小さいギャップ(1〜2mm)では音程でもツボの深さでも気づける差になりませんでした。
抜差管1mmで2セント動く、は本当か
「チューニング管を1mm抜くと約2セント」という目安をテューバで計算しました。平均は−0.57セント/mmで、よく言われる2セント/mmの約1/3.5。この目安はトランペット由来で、管が長い楽器にそのまま持ち込めません。
オイルで音は変わるのか、汚れではどうか
オイルの銘柄で音が変わるという話と、掃除していない管は音程が狂うという話を、同じ「内側に積もった厚み」という物差しで計算しました。両者を分けているのは厚みだけで、その間には2桁の開きがあります。
冷えるとピッチが下がる。では暖めれば直るのか
冷えると音程が下がるのは計算でも本当で、約2.9セント/℃。ただし吹き始めは管の中に温度差ができ、モードごとのずれ方が揃いません。暖まるほど戻りますが、揃い方までは戻りきりませんでした。
ベルが大きいほど音量が出る、は本当か
ベル径だけを4段階に変えて計算しました。音量そのもの(放射される音)は計算していませんが、測った「音のツボの深さ」は低い音域ではほとんど動かず、変化が出るのは高い音域だけ。「低音ほどベルが効く」は逆でした。
バルブを2本以上押すと音程が上ずるのはなぜか
1番と3番を一緒に押すと音程が合わない、という話を音響シミュレーションで確かめました。2本以上の組み合わせ11通りはすべて上ずる向きにずれ、ずれの大きさは押した本数ではなく足した管の総長で決まります。