transposing instrument
移調楽器は、楽譜に書かれた音(記譜音)と、実際に鳴る音(実音)が一定の間隔でずれる楽器です。B♭管のトランペットやクラリネットでは、記譜上のドを吹くと、実音は長2度低いシ♭になります。たとえば C4 と書かれた音を吹くと、鳴るのは B♭3 です。
ずれは楽譜の側であらかじめ書き換えておくので、奏者は譜面どおりの指使いで吹けます。理由のひとつは、管の長さが違う同族楽器(クラリネットやサクソフォンなど)を、同じ指使いと同じ譜面で持ち替えられるようにするためです。ピッコロやコントラバスのようにオクターブずらして書く楽器は、加線を減らして読みやすくするためにそうしています。管の調と移調楽器かどうかは別で、B♭管のテューバやトロンボーンはふつう実音で記譜します。このため音域を比べるときは、記譜と実音のどちらで書かれた数字なのかを確かめる必要があります。
よくある誤解
「トランペットの音域は E3 から」と「F♯3 から」という資料の数字が食い違うと、どちらかが間違っていると思われがちです。ですが、前者は実音、後者は記譜の数字であることが多く、どちらも間違いではありません。移調楽器の数字は、実音か記譜かを必ず確かめてください。
詳しく読む
B♭管とC管で記譜と実音がどうずれるか、トランペットの音域移調する楽器としない楽器の線引きがわかる、木管楽器の音域一覧別名・表記ゆれ: 移調楽器 / 記譜と実音 / 実音 / 記譜音
関連する用語
音域
楽器や声が出せる最低音から最高音までの範囲です。下限は構造で決まることが多く、上限は奏者で変わります。
オクターブ
周波数の比が2対1になる2音の間隔です。ドから次のドのように、同じ名前の音が高さを変えて現れます。
倍音(倍音列)
基音の整数倍の周波数で同時に鳴る音の列です。音色の違いや、金管楽器の音の出し分けを支えます。
トランペット
金管楽器で最も高い音域を受け持つ楽器です。B♭管は書かれた音より長2度低く鳴ります。
木管楽器
リードや息のエッジの振動で音を作る管楽器です。木でできているかどうかは問いません。
ホルン
管が長く、間隔の詰まった高い次数の倍音を使う金管楽器です。隣の音に外れやすいのは構造に一因があります。
出典
- Transposing instrument(記譜音と実音・B♭管は書かれた C が B♭ で鳴る)(2026-10-11 確認)
- Scientific pitch notation(科学的音名表記・中央のド = C4)(2026-10-11 確認)
- Range (music)(実音域と記譜域の区別・ピッコロは記譜より1オクターブ高く鳴る)(2026-10-11 確認)