一般社団法人LFコンサート

倍音(倍音列)

基音の整数倍の周波数で同時に鳴る音の列です。音色の違いや、金管楽器の音の出し分けを支えます。

harmonic series

倍音は、基音(いちばん低く、高さを決める音)の整数倍の周波数をもつ音です。音の高さがはっきりした弦楽器や管楽器が1つの音を出すとき、基音だけでなく第2倍音、第3倍音といった音が同時に重なって鳴っています。これを並べたものが倍音列で、周波数の差はどこでも基音の分だけで一定ですが、音程(高さの隔たり)で見ると、下のほうは広く、上へ行くほど詰まっていきます。

倍音の混ざり方は楽器ごとに違い、音色の違いを生む要因のひとつです。金管楽器では、管の長さと形で決まる共鳴の高さが、ほぼ倍音列の形に並びます(自然倍音)。奏者は唇の振動でそのどれに乗るかを選び、バルブやスライドで管の長さを変えて列ごと高さをずらし、すき間の音を埋めます。

よくある誤解

「倍音」と弦楽器の「ハーモニクス」は同じもの、と混同されがちです。倍音は、普通に出した1つの音の中にもともと重なって含まれている成分です。ハーモニクスは、弦の決まった位置に軽く触れて、特定の倍音を中心に響かせる奏法の名前です。なお、金管楽器で高い音域ほど音を外しやすいのは、管の共鳴の並び(自然倍音)が上ほど音程の間隔が詰まり、隣の音に移りやすくなることが主な理由のひとつです。

詳しく読む
倍音列の間隔が詰まる帯域を使う、ホルンが難しいと言われる理由バルブで倍音列のすき間を埋める、トランペットの音域の仕組み
別名・表記ゆれ: 倍音 / 倍音列 / ハーモニクス
関連する用語
オクターブ
周波数の比が2対1になる2音の間隔です。ドから次のドのように、同じ名前の音が高さを変えて現れます。
長調
主音から3番目の音が長3度上にある音階で作る調です。一般に明るく聞こえるとされ、短調と対をなします。
移調楽器(記譜と実音)
楽譜に書く音と実際に鳴る音が一定の間隔でずれる楽器です。B♭管のトランペットは長2度低く鳴ります。
音域
楽器や声が出せる最低音から最高音までの範囲です。下限は構造で決まることが多く、上限は奏者で変わります。
ホルン
管が長く、間隔の詰まった高い次数の倍音を使う金管楽器です。隣の音に外れやすいのは構造に一因があります。
トランペット
金管楽器で最も高い音域を受け持つ楽器です。B♭管は書かれた音より長2度低く鳴ります。
出典
  • Harmonic series (music)(基音の整数倍の周波数・倍音列)(2026-10-11 確認)
  • UNSW Joe Wolfe「Harmonics」(楽音は周波数 f, 2f, 3f の単純な振動の和・弦楽器のハーモニクス)(2026-10-11 確認)
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