古典派(Classical period)
古典派は、おおよそ1750年から1820年ごろまでの音楽様式で、ハイドン、モーツァルト、初期のベートーヴェンの時代にあたります。均整のとれた明快な形式が好まれ、ソナタ形式が確立し、交響曲や弦楽四重奏が型を整えました。理性と秩序を重んじる、啓蒙の時代の空気とも無縁ではありません。
発注元は、宮廷から公開演奏会へ移る過渡期にありました。ハイドンは約30年にわたってエステルハージ家の楽長を務めましたが、モーツァルトは1781年にザルツブルク大司教のもとを離れてウィーンへ移り、予約制で自ら開く演奏会(アカデミー)や出版、教授を収入の柱にしました。音楽が「誰かに仕える仕事」から「聴衆に届ける仕事」へ動き出した時期です。
よくある誤解
古典派の作曲家は、みな同じ様式の「昔の人」だと思われがちです。しかしモーツァルトとベートーヴェンとでは、作曲家としての立場が大きく違います。モーツァルトはザルツブルク大司教に仕える宮廷音楽家として出発し、1781年にその職を離れて、ウィーンで演奏会や出版、教授によって生計を立てました。1792年にウィーンへ出てきたベートーヴェンは、のちに3人の貴族から年金の約束を取り付け、仕える主人を持たずに作曲を続けました。年代が近くても、生きた社会の条件は違います。
詳しく読む
バロック・古典派・ロマン派を「誰のための音楽か」で見分けるモーツァルトとベートーヴェンの間に走る断絶別名・表記ゆれ: 古典派音楽 / 古典主義音楽
関連する用語
バロック音楽
おおよそ1600〜1750年の音楽様式です。教会と宮廷のために書かれ、通奏低音が土台でした。
ロマン派
おおよそ1820〜1900年の音楽様式です。市民の聴衆に向けて、個人の感情を強く表現しました。
ソナタ形式
第1楽章に多い曲の設計図です。提示部・展開部・再現部の順に、主題と調を動かします。
交響曲
オーケストラ全体が主役の、複数の楽章からなる大規模な曲です。多くは4つの楽章で組み立てられます。
弦楽四重奏
第1・第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの4人で奏でる室内楽の代表的な編成です。
出典
- Wikipedia(英語)「Ludwig van Beethoven」(1792〜1802年ウィーン・3人の貴族による年金の約束)(2026-10-11 確認)
- Wikipedia(日本語)「ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン」(1792年11月にウィーンへ到着)(2026-10-11 確認)