ロマン派(Romantic period)
ロマン派は、おおよそ1820年から1900年ごろまでの音楽様式で、ショパン、ブラームス、ワーグナー、チャイコフスキーなどが活躍した時代です。産業革命で豊かになった市民階級が公開の演奏会場を埋めるようになり、ライプツィヒのゲヴァントハウスやウィーンのムジークフェラインのような、市民の手による演奏会場が音楽の中心になりました。
作曲家が向き合う相手は、神や貴族ではなく、会場に集まった一人ひとりの聴衆の感情になりました。そのため個人の情熱や苦悩を前面に出す表現が広がり、大きなホールを鳴らし切るために編成も大規模になりました。金管楽器にヴァルブ(弁)が導入され、1835年にはテューバが生まれたのも、この流れの中のことです。
よくある誤解
「ロマン派」の「ロマン」は、恋愛の意味の「ロマンチック」と受け取られることがあります。しかし語源は、物語や小説を指す「ロマン(Roman)」で、ロマン派の芯にあるのは恋愛ではなく、空想や憧れ、個人の内面を音楽で語ろうとする姿勢です。また、時代の境目にいるベートーヴェンは古典派に数えられる一方、E.T.A.ホフマンが1810年の評論で交響曲第5番を「ロマン的」と論じたように、同時代からロマン派の先駆けとも見られていました。
詳しく読む
バロック・古典派・ロマン派を「誰のための音楽か」で見分ける別名・表記ゆれ: ロマン派音楽 / ロマン主義音楽
関連する用語
バロック音楽
おおよそ1600〜1750年の音楽様式です。教会と宮廷のために書かれ、通奏低音が土台でした。
古典派
おおよそ1750〜1820年の音楽様式です。均整のとれた形式が好まれ、ソナタ形式が確立しました。
交響曲
オーケストラ全体が主役の、複数の楽章からなる大規模な曲です。多くは4つの楽章で組み立てられます。
固定楽想
ベルリオーズが幻想交響曲で、恋人を表す一つの旋律を全楽章に姿を変えて登場させた手法の呼び名です。
オーケストラ
弦楽器を土台に、木管・金管・打楽器が加わる大編成の合奏団で、吹奏楽との違いは弦の有無です。
出典
- Wikipedia(英語)「Romantic music」(ホフマンの1810年の評論)(2026-10-11 確認)