プレリュード(prelude)
前奏曲は、名前のとおり、続くものへの導入として書かれる曲です。ワーグナーの「ローエングリン」では第1幕への前奏曲が、幕が上がる前に物語の空気だけを先に鳴らします。バッハの「平均律クラヴィーア曲集」では、それぞれの前奏曲がフーガの直前に置かれ、文字どおり導入の役目を果たしています。
のちに「前に置く」という発想だけが残り、何かの前に置かれない独立した小品にも、この名が使われるようになりました。ショパンの24の前奏曲は、何かの導入として書かれたものではなく、一つひとつが簡潔で凝縮された性格的小品です。名前は導入部の名残で、曲そのものはもう何の前にも置かれていません。
よくある誤解
「前奏曲」という名前から、必ず別の曲の前に演奏されるものだと考えがちですが、ショパンの24の前奏曲のように、単独で演奏される前奏曲は数多くあります。また、オペラの冒頭に置かれる点では序曲と同じで、両者のあいだに厳密な境界はありません。ワーグナーは、それだけで完結する序曲の代わりに、そのまま劇の始まりへつながる前奏曲を置くようになりました。呼び名の違いは、本編からどれだけ独立しているかの違いと考えると整理しやすくなります。
詳しく読む
序曲・前奏曲・間奏曲が生まれた理由の違い別名・表記ゆれ: プレリュード
関連する用語
序曲
幕が上がる前に演奏される管弦楽曲です。のちに舞台を離れた演奏会用序曲も生まれました。
間奏曲
幕と幕の間や場面転換をつなぐ曲です。単独で演奏される数分間の名曲も多くあります。
オペラ
歌と管弦楽で進める劇です。歌手が役を歌い、オーケストラが物語の先まで語ることもあります。
バロック音楽
おおよそ1600〜1750年の音楽様式です。教会と宮廷のために書かれ、通奏低音が土台でした。