バリトンは、男声のテノールとバスの中間に置かれる声種です。典型的な音域は A2 から A4 までが目安で、出典によって上下に数音の差があります。男声の中で最も多い声種とされます。テノールにもバスにも音域が重なるため、境目に明確な線はありません。
太く安定した響きで、中音域に厚みが出やすく、言葉が立つ声です。オペラでは主人公と対立する側や、苦悩する父親といった役に書かれることが多く、「カルメン」のエスカミーリョや「椿姫」のジェルモンが代表例です。
よくある誤解
「テノールにもバスにもなれない中途半端な声」と見られることがありますが、独立した声種です。中間にあるからこそ、太く安定した響きと表現の幅が持ち味になります。なお混声合唱では男声を2パートに分けることが多く、バリトンの音域の歌い手はバスに入ることが多いものの、曲や団の編成によってはテノールに回ります。男声合唱ではバリトンのパートを置く編成もあります。
詳しく読む
テノール・バリトン・バスの違いを音域の重なりから読む別名・表記ゆれ: バリトーン
関連する用語
テノール
裏声(ファルセット)を使わずに歌う男声でいちばん高い声種です。音域の目安は C3〜C5 です。
バス(声種)
男声でいちばん低い声種です。音域の目安は E2〜E4 で、父・王・僧侶などの重い役を担います。
換声点
声の出し方が切り替わる境目の高さです。声種を見立てるときの決め手の一つになります。
声種
歌い手の声を音域・声質・換声点で分けた区分です。最高音が出るかだけでは決まりません。
出典
- Wikipedia「Voice type」(各声種の典型的な音域を記す)(2026-10-11 確認)
- Wikipedia(日本語)「バリトン」(G2〜G4)(2026-10-11 確認)